大判例

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高松高等裁判所 昭和41年(う)61号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕論旨は、要するに、被告人は、原判示のように積極的に暴行した結果傷害したものではなく、専ら防衛的に軽度の暴行を加えたに過ぎず、その暴行は正当防衛であるから、原判決は重大な事実誤認を冒したもので破棄せられるべきである、というのである。

ところで、<証拠>を総合すると、被告人は、原判示日時に徳島市秋田町一丁目食堂「白水」前付近路上で、煙草を買いに行こうとして、酔余横列歩行中の桑村忠正外三名の連中と擦れ違おうとした際、右桑村からいわゆる因縁をつけられて殴打せられたので、逃避するため、とつさに、右手で同人の顔面あたりに一撃を加えて逃走したところ、同人ら四名に追跡せられ、同所付近の前園書店前で転倒したところを右桑村に蹴られようとしたので、同人の足を持ち上げて同人を転倒させておいて、更に逃走したが、なおも同人ら四名に追跡せられ、右秋田町一丁目付近において同人らに交々殴る蹴るの暴行を加えられて負傷したこと並びに被告人の右暴行により右桑村も亦顔面に擦過傷等の傷害を負つたことを認めることができ、<中略>の各部分は、いずれも、信用し難い。

そして、右認定事実によれば、被告人は右桑村の急迫不正の侵害に対し自己の身体を防衛するためやむを得ず右桑村に暴行を加えたものと判定するのが相当であり、その暴行はいわゆる正当防衛に該り罪とならないものであるから、数回の暴行による傷害の事実を認定し、正当防衛を認めなかつた原判決は、事実を誤認したものであり、その誤認が判決に影響を及ぼすことは明らかであつて、論旨は理由がある。(横江文幹 東民夫 梨岡輝彦)

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